今日のMST


追加機体の一部解説。


プロヴィデンスザク
ZGMF-X3000Qは、ザフトの次世代モビルスーツ開発計画に基づいた
先進試作機の一機として製造された機体だ。
その基本コンセプトは、「プロヴィデンスザク」という名称が示すように前大戦末期、ヤキン・ドゥーエ戦に登場し驚異的なスコアを上げたX13Aプロヴィデンスと、現行主力機である1000系モビルスーツ、ザクシリーズの融合にある。
 ザクシリーズの流れを汲む頭部には、デュートリオンビームの受信システムが搭載されている。
胴体と手足は後のX666Sレジェンドの原型となったものだ。
機体内部には核エンジンが搭載され、ハイパーデュートリオンシステムを構成している。
デュートリオンと原子力のハイブリット機関はユニウス条約に抵触するため、型式番号からは原子炉の搭載を示す「A」の記号が意図的に取り払われている。
 腹部、脚部のフレキシブルチューブは、ザク系の特徴であるマルチコンジットだ。
1000系機では、このコンジットに誘導ミサイル迎撃用のプロアクティヴアーマーシステムのマルチダズラーが収納されていたが、本機では原子炉の冷却系と、標準装備であるドラグーンシステム制御用の量子トランシーバーが収められている。
背部プラットフォームに搭載されたドラグーンは、X13A当時のシステムから大幅に改良されたものだ。
旧世代ドラグーンは先天的に特異な空間認識能力を有するパイロットにしか操作できなかったが、本機に搭載されたドラグーンは一般的なパイロットでも操作できるように拡張するための開発実験バージョンである。背部・腰部の四対の突撃機動ビーム砲GDU-X4は、X666SのX5とは形状が異なる。これは、X4が開発当初、打突による物理攻撃も考慮していたためで、現行機のX5では廃止された機能である。X666Sの左右脚部スペースにはMA-M80Sディファイアント改ビームジャベリンが格納されているが、これはX3000Qにあったフレキシブルチューブの廃止により可能になった装備だ。
背部プラットフォーム中央のコネクタに接続される高エネルギービームライフルは、MA-BAR76Tである。BAR76Tは後にコスメチックチェンジを受け、BAR78FとしてX666S装備された。
なお背部のGDU-X7は現行機としてそのまま継承されている。
両肩部アーマー内部には三対のスラスターが装備されているが、こちらはX666Sでは一対に改装された。
黒を基調に赤いストライプでエッジを縁取ったカラーリングは、プラント統合開発局局員リンナ・セラ・イヤサカが搭乗したテスト運用時のものだ。
オーブ出身のリンナは、前大戦時プラントに移民した元モルゲンレーテ嘱託社員であった。
 当初、本機はザフトの主力モビルスーツの系列を構成することを想定して3000系の型式番号が付与された。しかし実際には次世代機の開発計画そのものがアップデートされたため、この番号は制式継承はされなかった。
また、「プロヴィデンス」の名が「レジェンド」に変更されたのはX13Aのパイロット、ラウ・ル・クルーゼ戦争犯罪に原因があるという説が一般的だが、関係当局は公式にこれを否定している。



ペルグランデ
 アズラエル財団の協力を経て開発された地球軍の巨大試作MAで、ブルーコスモスの総帥でありアズラエル財団の一員であるムルタ・アズラエルザフトより入手したニュートロンジャマーキャンセラーの技術が可能にした核分裂反応炉を搭載し、フェイズシフト装甲を装備する。
 武装はドラグーンシステム3基のみだが、当時の最新軍事技術を惜し気もなくつぎ込んでいるため、兵器の見本市のような機体になっている。ドラグーンを使用するため脳に外科的手術による共有化処置が施されたパイロット3人を要し、それぞれがX軸、Y軸、Z軸を担当することで、システム運用が可能なレベルまで擬似的に空間認識力を高めている。
 本体は上部の3つのドラグーンと、下部の3つのパイロットが搭乗するブロックからなるほぼ同型の6つのパーツと中央部のコアから構成されており、それぞれのパーツは分離が可能だが、パイロットの乗っている部分は、分離すると3人による空間認識力が使用できなくなるため、緊急時以外は分離しない。



アストレイアウトフレーム
 テスタメントガンダムとの戦闘において大破したアウトフレームを、火星から帰還したロウ・ギュールが修復し、本来の姿である戦闘用モビルスーツに戻した機体。名称の「D」は戦闘用であることを示すデュエル (DUEL) や二人乗りのダブル (DOUBLE) 、ロウが適当に名付けた運命 (DESTINY) 等様々な意味が込められているが、通称はダッシュ (DASH) となったようである。
 腕部と下半身がテスタメントと同型のものになっているが、装甲材は発泡金属を使用している。そのため強度は低下したが、軽量化によって機動性がアップしている。テスタメントのウイルス散布機能に対抗するべく、頭部メインカメラ部分に有視界コックピットが設置され、複座型の機体となった。メインパイロットはカイト・マディガンが務め、頭部にジェスが乗り込むことで敵を捉える「目」となる。カイトがテスタメントに搭乗してからは、再びジェスがメインパイロットとなる。



アストレイレッドフレームMJ
 ロウ・ギュールが愛機にしていたレッドフレームを、火星で強化換装した機体。
通常時は、デュエルのアサルトシュラウドに似た重装甲アーマーを全身に装備し、頭部のアンテナが下にスライドする事でモノアイが現れ、外見はザフトのニューミレニアムシリーズの機体に似た状態となる。非常時には、全身の装甲を強制排除する事で、本来の高い機動性と戦闘力を持ったガンダムタイプの機体となる。専用ビームライフルの上部は、両刃型のビームナギナタとしての機能を持つ。背部にある2翼のウイングは、日本刀型実体剣を1本ずつ装備しており、他にも高出力のビーム砲やバーニアとしての機能もある。もちろん、ガーベラ・ストレートを装備することが可能であり今までのレッドフレームの改装機の中でも、最も戦闘に適した機体として生まれ変わった。ありとあらゆる分野のメカニックに精通しているロウ・ギュールならではこその傑作機である。 
 なお、現在は、ロウたちが火星から帰還する際に本人の希望で一緒に戻ってきた火星の移住者がユニウスセブン落下時にリ・ホームから勝手に強奪(本人曰く”借りた”)して地球に降下しているためロウではなく別の人物が所有しているようである。最終的にロウの所に戻ってき、その後はMJの装甲を量産型アストレイに付け替えて、その人物に譲った。
 因みに重装甲アーマーは機動戦士ガンダムに登場したゲルググの様な形状で、MJはマーズ・ジャケットの略称。



プロトセイバー+11
 連合軍が回収したX11Aリジェネレイトのコア・ユニットと合体する事で、核エンジンの大出力とコア・ユニットの推進力を付加された「プロトセイバー+11」となる。付ける際スタビライザーが邪魔で外した後、僅かに改造されている。型式番号:ZGMF-YX21R+11。コア・ユニットはウイルスによってドラグーンのように遠隔操作が可能。また、核動力機であるリジェネレイトのジェネレーターにより、VPS装甲の稼働時間は実質的に無制限となっている。

(おまけ)プロトセイバー
 開戦前、地球連合特務情報局に渡ったセイバーの試作機。エースパイロット養成機関「サーカス」出身の戦闘用コーディネイター、イルド・ジョラールが搭乗する。型式番号:ZGMF-YX21R。連合でのナンバーはRGX-04。
 外観、装備はセイバーとほぼ同等で、イルドのパーソナルカラーであるダークグレーにホワイトラインという独特のカラーパターンを持つ。他のセカンドシリーズ機と異なり、重力下での可変、機動試験の目的で地球に降ろされていた。鹵獲後はマティスの指示により、RGX-00テスタメントと同様の量子コンピュータウイルス送信機能が追加された。武装や基本構造などはオリジナルと同一だが、あくまで廃棄予定の実験機なので基本性能や信頼性はそれより劣る。しかしそれでもなお全体的に高い水準の性能を誇る。プロトセイバーの行方が分からなくなった事について表沙汰になっていない事から、おそらくはギルバート・デュランダルを支持するマティスが、セイバーの完成により不要になった本機を、本機の開発関係社との裏取引によって入手した物と思われる。
 アスランが搭乗する機体はプロトセイバーのテスト結果のデータから宇宙で組み上げられた物である。



ディープ・フォビドゥン
 コックピット部にチタン合金製の耐圧殻を採用する事で試作機であるフォビドゥン・ブルーの問題点であった耐圧性を改善されている。
 第二次カサブランカ沖海戦に少ないながらも相当数が投入され、ザフトの水中MS部隊を壊滅させると言う大戦果を収めている。



ゲルフィニート
 MSの開発に後れを取っていたアクタイオン・インダストリー社が独自に開発した試作MS。
 本機は特殊な運用コンセプトの元に造られており、六つ目のセンサーを持った仮面を思わせる頭部等そのフォルムは他の機体とは一線を画している。
両肩の4対の羽状ユニットは「バチルスウェポンシステム」と呼ばれ、特殊な量子コンピューターウィルスを敵機に送信・汚染する特殊機能を備えている。送信はユニットから放出されたコロイド粒子を媒介に行われ、汚染した機体を意のままに操る事が可能である。
 ザフトの次期主力機コンペにてMMI社製のZGMF-600ゲイツと競合したが、装備の特殊性による汎用性の低さと、機体本体のスペックが平均的で特長も何一つ無かった事から採用は見送られた。後に、このシステムの改良発展型がテスタメントガンダムに搭載されている。



ドレッドノート
 傭兵の道に入ったカナード・パルスがロウ・ギュールに依頼してプレア・レヴェリーの遺品であるドレッドノートを改装した機体。
カナードにはドラグーンシステム操作する為に必要な空間認識能力の適性がなかったため、これらを外し、新たにイータユニットと呼ばれる追加装備を施している。 
 イータ・ユニットはあらゆる戦闘に対応すべく開発された多目的武装で、ビーム砲、機関砲内蔵を内蔵した背部1対のデバイスを前方に展開した砲撃戦形態「バスターモード」、両腕にマウントし巨大なビームサーベルとした格闘戦形態「ソードモード」の2つに変化する。本体の武装は先の戦いで四散したハイペリオンの残骸から回収された武装を一部改良して使用している。ビームサブマシンガン「ザスタバ・スティグマト」は、本体から延びたパワーケーブルを接続し核エンジンからの電力供給によって弾数制限をほぼ無くしている。しかし、機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAYでのジェネシスα制圧作戦でのジェネシスα防衛中にはドレッドノート本来のビームライフルを装備している。 両腰にはプリスティス端末に「アルミューレ・リュミエール」の発生器を組み合わせた「アルミューレ・リュミエール・ハンディ」を装備。サブマシンガン同様有線で電量供給が行われ、使用時は前腕部にユニットをマウントする。
 無論、核エンジン、ニュートロンジャマーキャンセラーもそのままになっているので、武装はほぼ無制限の状態で使用できる。
 「イータ」とはこの装備のシルエットが「H」に見えることから、ギリシャ語の「Η」(イータ)にちなんで名付けられた。